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いとはん(絆)プロジェクト

「いとはん(絆)プロジェクト」のネーミングについて
絆の字を分解すると“糸と半”に分けることができます。それを平仮名にすると“いとはん“になります。また関西、特に昔、大阪(浪花)でよく使われていた言葉に“いとはん”があります。“いとはん”とは、生活力が旺盛で、しっかりした女性を指す言葉です。絆の字と女性の力を十二分に活用することから「いとはん(絆)プロジェクト」と和歌山大学・防災研究教育センター 客員教授 今西 武 先生がネーミングしました。

事業の背景
今、地域のコミュニケーション能力は著しく低下し、地域の絆はか細くなるばかりです。か細くなった地域の絆を太くすることなくして地域の再生はありえません。また和歌山県において危惧されているのが東南海・南海地震の発生です。和歌山県では防災対策の必要性が声高に叫ばれているにもかかわらず、地域の防災活動は低調に推移し、防災対策はあまり進んでいません。その理由の一つとしてとして地域の絆が弱いことが上げられます。防災対策を考える上でも地域の絆を強めることが求められています。

事業の目的
「いとはん(絆)プロジェクト」は、地域の絆づくりと地域の防災力の強化を図る取り組みです。「いとはん(絆)プロジェクト」の事業内容を説明する前に地域の絆づくりに深く係わる(1)地域を構成する世代と地域の係りについて(2)地域と防災の関係について説明しておきます。

1)地域と世代の係りについて
【子育て世代】
子育て世代の若い夫婦は、総じて地域社会に無関心であり、子供を介して知り合った人との付き合いが中心です。地域社会に係ることに無関心であり“自分は自分、人は人”“隣近所との付き合いなんてわずらわしいだけ、真っ平ごめん!それで何が悪いの!”“自治会に協力?どうして協力しなければならないの?私の家と自治会は何が関係あるの?”など地域の絆を否定する言葉を発することも決して珍しいことではありません。子育て世代もやがて中年となり、高齢者になるのです。自分自身の将来、子どもたちの将来のためにも地域活動に積極的に参加し、地域の絆を強めてもらいたいものです。

【中年世代
中年世代、特に男性は、仕事関係の人たちとの付き合いは多いのですが、地域との付き合いは殆んど無く、奥さん任せです。そのような中年世代も定年を迎えると困ったことになります。定年後、仕事で付き合いがあった人も次第しだいに付き合いがなくなり、気がつくと一人だということに気づくのです。さりとて急に地域と付き合いを始めるわけにはいきません。その結果、世間で言われる“わしも族=定年後、何事にも奥さんの尻に付いて回る男性のこと”や“濡れ落ち葉”となり、家の中で一日を過ごすことが多くなります。ますます地域社会と疎遠になります。中年世代の男性にこそ定年後の地域との付き合いを意識しながら地域と積極的に交わるような活動を行ってもらいたいものです。

【団塊の世代(60才から65才位)】
年齢から見ると団塊の世代は高齢者に属します。しかし団塊の世代は、高齢者と呼ぶには相応しくない世代です。中でも団塊の世代の男性に多く見られるのですが、退職した後、NPO活動やボランティア活動に参加したり、NPO活動を始められたりもします。しかしこれらの活動は長続きしないケースが多く見受けられます。理由は簡単です。多くの場合、活動に携わる時、在職中の身分を忘れることができず、まるで上司が部下に命令するような口調と態度で人と接することが多いからです。当然、活動仲間から敬遠され、嫌われ、疎まれることになります。仲間が次第しだいに彼の周辺から遠ざかってゆくのです。本人としては社会や地域や人と交わることを望んでいるのですが、気持ちと言動がかみ合わず活動に馴染むことができないのです。自然と活動から足が遠のいてゆき、やがて自分の身を持て余しながら家の中で居ることが多くなります。勿体ない話です。超高齢者社会を迎えようとしている時代にあって団塊の世代には、難しいかもしれませんが頭のスイッチを切り替え(前述した言動を改め)、地域社会の重要なメンバーの一人として活躍してもらいたいものです。

【後期高齢者世代】
後期高齢者の多くは、子供が独立すると夫婦二人だけの生活になります。長年住み慣れた地域ですが、地域社会の構成メンバーも代替わりし地域との縁がますます疎遠になり、夫婦二人だけでひっそりと暮らすようになります。とりわけ連れ合いを亡くされた男性の場合、地域との縁がいっそう疎遠になり孤独な生活を送られるケースが目立ちます。地域全体で後期高齢者を支えなければならない時代になりました。しかし現実は厳しく、地域社会は後期高齢者を支えきれていません。地域で本腰を入れて取り組まなければないのが後期高齢者対策です。

【世代を超えて活躍する女性/地域再生のカギを握るの女性】
女性はどの世代も元気溌剌としています。もちろん子育ては大変です。今も男女共同参画のお題目が必要な社会環境下にあります。そのような社会環境下にあっても女性パワーは健在です。女性パワーが辛うじてか細くなった地域の絆を保っています。それにひきかえ男性は縦の関係(序列)を常に意識し、退職後も縦の関係を意識しないで済まされないのです。また男性特有のマインドもあり、他人から指示されることを嫌い、他人から教えを乞うことも良しとしません。これでは他人との平らな関係を築くことは無理です。とにかく男性は横に広がることが非常に苦手です。逆に女性は、縦社会=縦の序列をあまり意識しません。ただ女性といえども縦の関係を意識しないわけが無いのですが、総じて横に広がる活動に力を注ぎます。そして何より女性は理屈を並べるよりも行動的です。したがって人間関係がどんどん横に広がってゆきます。地域の再生のカギを握るのが女性です。

(2)地域と防災の関係について
防災と地域は切っても切れない関係です。阪神淡路大震災を例にとります。日頃から強い絆に結ばれている地域は、大地震の激しい揺れが治まると地域住民が互いに力を合わせ、いち早く救急救命の活動に取りかかり、倒壊家屋に中に閉じ込められたご近所の人たちを救助し、火災の広がりを最小限にくい止めました。そして地域全体で共助の精神を発揮し、長くて辛いで避難所生活を乗り切りました。また長い年月を要した災害復興に関しても地域住民が一体となり、協力し合いしながら災害に強い街づくりも成功させています。現在の地域社会はその当時よりいっそう核家族化が進み、行過ぎた個人主義の蔓延もあり、残念ながら前述したような強い絆で結ばれて地域はそう多くありません。災害に備えるための基本は「自助」「共助」「公助」の精神です。とりわけ「共助」=地域の人々が協力しながら災害に備え、災害が起きた時には、地域の人々が一丸となって災害に対応することが大切になります。「共助」の基本となるのが地域社会の“絆”です。地域の“絆”は、災害の備えを強化し、万一、災害が発生した時には救助活動などに大きな力を発揮し、苦しく長い避難所生活を乗り越え、元の暮らしを取り戻す災害復興に至るまでの間、地域の人々を支え、励まし、地域の再生を可能にするのです。
地域の“絆”は災害時に力を発揮するだけではありません。地域の人々の何気ない日常生活を豊かにし、安心して暮らせる社会を作るために欠かせないものです。





「いとはん(絆)プロジェクト」の事業内容
地域の絆を取り戻すためには、地域のコミュニケーション能力を高める必要があります。コミュニケーション能力を高めるには、地域の人々が気軽に交流できる場と感動体験を共有できる場が必要となります。
「いとはん(絆)プロジェクト」では、音楽の持つ力、感動力と女性の持つ行動力をフルに活用した“いとはんコンサート”を県下の各地で開催します。地域の人々が気軽に交流でき、感動体験を共有できる場が“いとはんコンサート”会場なのです。
地域の絆づくりにコンサート?何の関係があるの?と思われると思います。コンサートは決して小難しいコンサートではありません。老若男女を問わず私たちの誰もが心の中に持っているのが“我が心の歌”です。“我が心の歌”を耳にすると、懐かしき旧き良き時代が瞬時に甦り、私たちの心を幸せな気分にしてくれます。“我が心の歌”は、私たちの人生に寄り添い、辛い時には励まし、悲しい時には慰めてくれ、嬉しい時には喜びを倍加させてくれます。“我が心の歌”は、世代を超え、多くの人々に愛されています。“我が心の歌”は人生の応援歌であり、人生の喜怒哀楽に寄り添ってくれる心の友です。

“いとはんコンサート”では、“我が心の歌”を事前に参加者からリクエストをしてもらい、リクエストを希望した理由も簡単に書いてもらっておきます。リクエスト曲はコンサート会場でエレクトーン奏者(プロまたはアマチュア)と歌手(プロまたはアマチュア)により披露され、希望した理由も司会者から紹介されます。リクエスト曲は、童謡・唱歌・流行歌・ポップス・クラシックなどジャンルは問いません。コンサート会場で披露された“我が心の歌”は、参加者の心に響き、会場全体が感動の渦に巻き込まれて行くことになるでしょう。この感動体験の共有は、参加者の心を開き、心を一つにします。感動体験を共有した人々はもう他人ではありません。顔見知りの間柄です。コンサート会場で感動体験をした人々は街で出合うと互いに会釈し、やがて言葉を交わす間柄となり、地域の絆づくりの第一歩を歩み始めます。そのようなことから“いとはんコンサート”には、地域社会と疎遠になりがちな男性の方々に参加して頂きたいと考えています。

また“いとはんコンサート”の合間に息抜きタイムとして“楽しくかつ真剣に防災を学ぶことができる”楽しい防災ミニ講座“など防災にまつわる小イベントも合わせて開催します。
なおコンサート会場は地域の人々が気軽に集まることができる地域のコミュニティセンター(公民館も可)を利用します。

「いとはん(絆)プロジェクト」/“いとはんコンサート”の運営スタッフ
 
(1)運営スタッフ
総合プロデューサー・演出担当・会場及び出演者との折衝担当・司会進行・舞台及び機材の管理担当・記録係担当・受付担当・その他

(2)レギュラー出演者
松本祐樹さん=エレクトーン奏者&シンガー(プロ)
雑賀さん=エレクトーン奏者(アマ)予定
岡本さん=シンガー)(アマ)予定